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逆 鱗
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作者:未知 文章来源:日本ネット 点击数 更新时间:2004-11-15 20:19:00 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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竜は、まか不思議な力を持つとされる、想像上の動物である。 鳳・麟・亀とあわせて四霊という。鱗あるものの長であって、よく雲を おこし、雨をよぶという。そこで中国ではよく君主をあがめて竜にたと える。竜顔うるわしく、などというのも、そのたぐいである。したがっ て、竜にまつわる諺や言葉もたくさんあるが、これもその一つだ。 韓非は戦国時代の人である。そして現実主義的な「法家」の代表者で もあった。どこがどこと結び、どこと戦うかも判然としないような、混 乱した戦国のありさま。君と臣とがたがいに疑いあい、すきがあれば倒 しあう社会。……彼はそれを鋭い目で見ていた。そして、このような情 勢のなかで、国家の計を立てるしかたを考えていた。彼は秦に抑留され ているあいだに、相弟子の李斯にはかられ、毒をあおいで自殺したとい うが、この世に「韓非子」という書物を残した。その行間からは、その ような戦国の息吹が立ち上っている。その「韓非子」の「説難篇」で、 彼はこう述べている。 「竜はやさしいけだものである。なれれば乗ることもできるほどだ。 だが、そののどの下のあたりに、 さしわたし一尺ほどの、逆さに生えた鱗、逆鱗が一枚だけある。 もし、これに触れるものがあれば、 竜はかならずその人を突き殺してしまう。 君主にもこの逆鱗があるのだ……」 だから、「用心しなくてはいけない」という。ここから、君主の怒り を喩えて「逆鱗」といい、また怒りにあうことを、「逆鱗に触れる」と いうようになった。ずいぶんとお目にかかることばだ。ところで、茫々 たる歴史のことである。この喩えにあてはまらないものも、だいぶある ようだ。怒るべきときに怒れない君主もある。また、どこの鱗で怒って いるのか、体中が逆鱗みたいに、わけもなく怒っているものも多い。 君主というものは数々あっても、ほんとの竜は存外にすくないということか。
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