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推 敲
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作者:未知 文章来源:日本ネット 点击数 更新时间:2004-11-16 16:56:00 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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驢馬の背にゆられながら、なにやらブツブツつぶやきながら、しきり に妙な手つきをしている男があった。往きかう人々は、無遠慮にジロジ ロ見るのであったが、彼は放心したように、驢馬がどこへゆくのかも知 らぬげな様子だった。 賈島は、驢馬にのってゆくうちに、詩ができたのであった。「李凝の 幽居に題す」というので、 閑居隣並少なし 草径荒園に入る 鳥は宿す池辺の樹 ここまではスラスラとできたのだが、さてそのつぎの句を「僧は敲く 月下の門」としようか、それともこの「敲く」を「推す」にした方がよ いか、ここでハタと迷ってしまったのであった。この二つを口に出して いってみては、手で門をたたく仕ぐさをしてみたり、推す真似をしてみ たりしているのである。 夢中になっていた賈島は、向うから高官の一行らしいのがきたのに気 づかなかった。相かわらずブツブツいって、手真似をしながらゆくうち に、驢馬がその行列につっこんでしまった。 「無礼者め、なに奴だ!」 「控えろ、権の京尹(副県知事)韓退之さまをなんと心得る!」 衛兵たちは口々にののしりながら、賈島をひっとらえて韓愈の前に引 きたてていった。賈島は驚いて詩に気をとられて無礼に至った事情をの べてひたすら詫びた。韓愈は馬をとめて、しばらく考えていたが、 「それは君、『敲く』とした方がいいな。」 といった。これが縁となって、韓愈は賈島の無二の詩友となり、庇護 者となったのであった。 これは「ショウ素雑記」による、中唐の詩人賈島の「推敲」の逸話で ある。詩文の字句を練ることを推敲というのはここにはじまる。賈島の 詩は文字通り推敲を重ねたものだが、あまり字句の表現に凝りすぎて、 意味の通じないものがあるとも非難されている。
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