プロ社員の条件
笠巻 勝利(かさまき かつとし)
『反省だけなら猿でもできる、六省しよう』
私たちが成長するにはどんな条件が必要だろうか。まず、自分が将来どんな人間になりたいか、目標を明確にすることだろう。自分が向かうべき目標もなければ、どっちに向かっていけばよいかわからない。
私たちの未来は「目標の大きさと努力でつくる」ものである。あまり大きな実現不可能な目標は、目標とはいえない。
目標は努力すれば実現可能なものでなければいけない。私たちの能力の110~130%ぐらいの目標が妥当であろう。自分の実力の150~200%の大きな目標では持続させることは難しい。それは短期決戦のものに限定したほうがいいだろう。
山道をリュックを背負って登るようなものである。目標は山の頂上である。山道には緩やかなところもあれば、急な坂道もある。これは人生も同じことである。
目標を立てることも大切だが、目標は必ず達成するという達成意識も大切である。目標は、やり遂げるに値するものでなければ長続きはしないだろう。
その次は、計画である。計画とは「未来への縮図」であり、「実物の模型」である。計画がいい加減なものであれば、物事は途中で挫折してしまう。
「目標を立てる」「目標は必ず達成する」「計画を立てる」、その次は、「行動力」である。人生は口では何一つ解決しない。
「百の理論より一つの実践」の言葉のように行動することが大切である。最後が「反省」することである。
自分なりに立てた目標に問題はなかっただろうか?計画に問題はなかったか? 行動に問題はなかったか?
会社を取り巻く情勢は刻々と変化していく。経営とは変化に対応することである。状況が変われば軌道修正はやむを得ない。
シートの内容のように、できれば一日に一回、自分の一日を振り返ってみよう。システム手帳に書くか貼っておこう。声に出してみよう。こうすれば、植物のように一日一日、成長することも可能となってくる。一日一日、成長しなければ反省のしようもない。
「不作為の罪」という言葉がある。何もしない~失敗もしない――これは一種の罪になるということである。
六省
(1)今日1日、計画を立てて行動しただろうか (2)今日1日、真剣に仕事に立ち向かっただろうか (3)今日1日、人に恥じるようなことをしなかっただろうか (4)今日1日、仕事に対して工夫・改善を考えただろうか (5)今日1日、どれだけ会社に貢献しただろうか (6)今日1日、将来のために勉強をしただろうか
【著者紹介】安田 佳生(やすだ よしお) アック・マネジメント代表。1937年生まれ。新潟大学卒業後、タナベ経営(経営協力部長代理)を経て、アック・マネジメントを設立。中小企業診断士、88年に優秀診断士として表彰される。各企業の発展に寄与する診断・コンサ ルティング活動、各企業・各業界の管理者から一般社員までの教育、経営公演、教育公演などに精力的に取り組んでいる。 著書に、『「利益貢献」40の実行シート』(清話会出版)『仕事が嫌になった 時読む本』(PHP研究所)ほか、ダイヤモンド社、日本経済新聞社、日本実業出版社などから60冊を超える著書を出版。
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