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老舎詩集(一)

作者:老舎  来源:老舎   更新:2004-5-15 23:29:00  点击:  切换到繁體中文

 

老 舎 (一)
老舎。(1898年1966?)本名、舒慶春。北京の人、中国の小説家、劇作家。北京を舞台とした作品が多い。英国に留学時の作品は「張さんの哲学」「趙子曰」「二馬」など。1929年帰国後は、ユーモアに富む作品が多い。「小坡の誕生日」「離婚」「牛天賜物語」なかでも「駱駝祥子」は諸外国に翻訳されて好評を博した。


  車過草原
車過羊群奔若狂。   車は羊群を過ぎ 奔り狂うが若し
老牛静立小牛慌。   老牛は静に立ち 小牛は慌てる
門前黄犬大如犢。   門前の黄犬 大は犢の如く
不吠姑娘只吠郎。   姑娘に吠えず 只だ郎に吠える


  興安嶺
微酔山中紅豆酒。   微酔す山中 紅豆の酒
初嘗豺鼻与飛龍。   初て嘗る豺鼻と飛龍と
興安嶺上多珍宝。   興安嶺上 珍宝多し
第一応誇落葉松。   第一 応に落葉の松に誇るべし


  茂林公社
蒙漢同心公社強。   蒙漢の同心 公社 強し
三河駿馬細毛羊。   三河の駿馬 細毛の羊
花開并蒂農兼牧。   花開き蒂を并せ 農は牧を兼ねる
汗滴荒沙玉米香。   汗は荒沙に滴たり 玉米香ばし


  雑詩(一)
春潮帯雨湿蓮峰。   春潮 雨を帯て 蓮峰を湿らす
想見父公涕望中。   想い見る父公 涕望の中
愛国男児存正気。   愛国の男児 正気を存す
莫凭成敗論英雄。   成敗に凭りて英雄を論ずる莫れ


  雑詩(二)
今日風光昔日城。   今日の風光 昔日の城
忠魂含笑心不驚。   忠魂 笑を含み 心ろ驚かず
蓮花城下春多少。   蓮花城下 春多少
莫使潮声圧笑声。   潮声をして笑声を圧する莫れ


  雑詩(三)
南北東西任去留。   南北東西 去留に任す
春寒酒暖判演楼。   春寒 酒暖めて演楼に判る
匆匆莫道詩情薄。   匆匆 詩情の薄きという莫れ
糯米枝紅來再遊。   糯米 枝紅 再遊をねぎらう


  贈康濯
羨君三月去長沙。   羨む君が三月 長沙に去るを
胸有春風筆有花。   胸に春風あり 筆に花あり
公社旗紅湘雨碧。   公社の旗紅 湘雨碧なり
奇文共賞在田家。   奇文 共に田家に在るを賞す


  遊秦皇島(六)
秦皇島外打漁船。   秦皇島外 漁船を打つ
碧海波光珠月圓。   碧海の波光 珠月圓なり
踏月詩人争破浪。   月を踏む詩人 破浪に争う
一声秋鶴唳高天。   一声の秋鶴 高天に唳す


  遊秦皇島(七)
雪浪如弦聴海唱。   雪浪は弦の如く 海唱を聴く
天風吹笛送潮還。   天風 笛を吹いて 潮の還を送る
灘頭自有知仙客。   灘頭 自ら仙客を知る有り
譜出秋声交響篇。   譜し出す秋声 交響の篇


  赴徽州途中
両袖白雲花満頭。   両袖の白雲 花 頭に満つ
黄山遊罷又徽州。   黄山の遊罷めて又徽州
皖南一路佳山水。   皖南 一路 山水に佳たり
竹翆茶香烟樹幽。   竹翆 茶香 烟樹 幽なり


  赴日本参觀訪問時写下9首(二)  (1965年3月24日~4月28日)
行雲騎鶴詩蓬莱。   行雲 騎鶴 蓬莱を詩う
東海春風迎客來。   東海の春風 客を迎て來る
中日詩家同一酔。   中日の詩家 一酔を同じゅうし
梅花万株酒千杯。   梅花 万株 酒千杯


  赴日本参觀訪問時写下9首(四)
桜花時節訪京都。   桜花の時節 京都を訪う
翆谷春風入画図。   翆谷の春風 画図に入る
梵曲鐘声山色里。   梵曲 鐘声 山色の里
東方文化一明珠。   東方の文化 一明珠


  雑詩(一)  (1965年)
無産無官無所私。   産無く無官 私を所する無く
嚢中惟有杜家詩。   嚢中 惟だ有り杜家の詩
翻身兄弟同歌舞。   翻って身は兄弟 歌舞を同じゅうする
革命英雄尽友帰。   革命の英雄 尽く友帰


  雑詩(二)  (1965年)
小憩京華花寂寂。   小憩す 京華 花寂寂
不随俗子怨春遅。   俗子に随わず 春の遅きを怨む
昂頭破浪天無際。   頭を破浪に昂げれば 天 際り無し
枕臂能眠夢有詩。   臂を枕に能く眠る 夢に詩有り


  為胡絜青画≪桃花遊魚図≫題詩
細雨江南客欲帰。   細雨 江南 客 帰らんと欲す
桃花流水小魚肥。   桃花流水 小魚肥え
莫憐晴日無聊頼。   憐む莫れ晴日 無聊の頼
緑柳青天白鷺飛。   緑柳 青天 白鷺飛ぶ


  贈銭鐘書
梅花傲対雪花開。   梅花 傲り雪花に対して開く
放眼山川無点埃。   眼を山川に放てば 点埃 無く
此情此景応小酔。   此の情 此の景 応に小酔なるべし
詩人恰寄宋詩來。   詩人 恰も宋詩に寄せて來る。


  勉“舎”弟“舎”妹 (一)
“黄河之水天上來”。   “黄河之水 天上より來る”
遮莫天堂閙水災。     さもあらばあれ天堂の水災に閙くは
聴得風声便是雨。     風声を聴き得るは 便ち是れ雨
吾家子弟尽英才!     吾が家の子弟 尽く英才!なり


  勉“舎”弟“舎”妹 (二)
男児多恋女多愁。   男児 恋い多く 女は愁い多し
第一婚姻宣自由。   第一 婚姻 自由に宣し
国難期間羞跳舞。   国難 期間 跳舞を羞じる
同居幾度最風流。   居を幾度か同じゅうし最も風流


  題“全家福”
父笑母随女奢書。   父は笑い母は随い女は書を奢く
一家三口樂安居。   一家 三口 樂安居
済南山水充名士。   済南の山水 名士に充る
籃里猫球盆里魚。   籃里の猫 球 盆里の魚

樂安居⇒老舎は済南に過ごすこと四年。快楽又安定した生活を指す。
猫球⇒老舎家で飼う子猫の名を“球”。をさす。


  留侯祠 (一)
寂寂祠堂夏似秋。   寂寂たる祠堂 夏 秋に似たり
清泉赤松伴留侯。   清泉 赤松 留侯を伴う
千峰環翆青天小。   千峰 翆を環らし青天 小なり
遮断斜陽無限愁。   斜陽を遮断し 無限の愁い


  留侯祠 (二)
林密蜂肥緑接天。   林密に蜂は肥え 緑 天に接らなる
翩翩蝶鳥亦登仙。   翩翩 蝶鳥 亦た仙に登る
半生辛苦凭誰説。   半生の辛苦 誰に凭って説く
黙数松花落暮烟。   黙して松花を数えれば 暮烟に落つ


  北碚辞歳
霧里梅花江上烟。   霧里の梅花 江上の烟
小三峡外又新年。   小三峡外 又新年
病中逢酒仍須酔。   病中 酒に逢い 仍ち須酔
家在蘆溝橋北邊。   家は蘆溝橋の北邊に在り


  題静盧帰雁図
夜半霜霾秋入微。    夜半の霜霾 秋 微に入る
月明松寂雁低飛。    月明 松は寂として 雁低く飛ぶ
伝聞南国多烽火。    伝え聞く南国 烽火多しと
紅豆応憐梁稲肥。    紅豆 応に梁稲の肥えるを憐れむべし


  雑詩
軽寒乍暖未分明。   軽寒 乍ち暖 未だ分明ならず
柳(目+分)春陰花(目+分)晴。  柳は春陰を(目+分)み 花は晴を(目+分)みる
聴罷揚州断腸曲。   聴き罷める揚州 断腸の曲
江南三月雨無声。   江南 三月 雨 声なし
(目+分)⇒顧。


 

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