旅ずきの私は、高校時代から、夏休みの度に、必ず遠い所へ旅行する。バスでも汽車でも飛行機でもしたことがある。けれども、汽車のほうが一番好きなのだ。なぜかというと、四つの理由がある。
まず、軌道がいつも町を避けて田舎や郊外を通って静かだし、悪い匂いもないし、視野も広がっている。それに反対して、バスでしたら、いつも賑やかな町を通って、外にも内にも人が大勢でうるさい。それはともかく、バスがガソリンの匂いが強くて酔いやすいので、目的地に着かないうちにもう旅心地が失ってしまうのだ。飛行機でしたら、快適なことは快適だけど、何時間もかかってすぐ着くというのは、途中の面白さがなくなって、旅の趣味も半分失ってしまうんじゃないか。