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幸せを感じる基準
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通勤といえば、実は私は、空気がまだ少し肌寒く感じる頃から、自転車通勤を始めています。健康や節約のためというわけではないのですが、毎日の仕事で、誰しも何となく無意識に緊張した環境で過ごしているように思える中、いつもの電車通勤をやめて、外の景色に触れながら通勤する事で、少しでもそんな毎日の緊張から開放されるゆとりが持てるような気がしたのです。
そんな私の最近の通勤時間は約30分、10km程度の道のりです。途中は、平坦な道ばかりではなく、川を2本越え、高低差もほどほど、坂道もあります。その坂をおでこ全開にして、風を浴びながら猛スピードで駆け下りるのですが、最近の私にとって、これはものすごくストレス解消になっていると思うのです。
正直言って、これが学生の頃なら、いい大人の女性が自転車で坂を駆け下りるなんて恥ずかしいと思っていたはず。朝のオフィス街をパンツスーツで颯爽と通勤するようなかっこいいキャリアウーマンのイメージとはほど遠く、同じく自転車で通学している高校生たちと並んで走り、曲がり角を過ぎたお肌を気にしつつも顔全面で眩しいUV光線を受けながら、友人や同僚からは、「自転車通勤?!がんばるねぇ」といったコメントしか返ってこない……。 そんなことは分かっていました。でも実際に始めてみた自転車通勤は、朝は満員、帰りは1日の疲れまで乗せたように、どんより走る電車通勤とは違うのです。朝は、明るい太陽の光と元気な小学生たちの声に「今日も1日始まるよ!」という気持ちになり、夜は疲れた身体に涼しい風をうけて「なんとか1日終わったね。ほんとお疲れ~」とのんびりとした気持ちになって、帰り着く頃には、すっかりOFFモードになっているのです。同じ通勤でも、少し視点を変えて時間を使ってみると、こんなに気持の変化に影響があるなんて、本当に新鮮でした。
ここ数年の私は随分とモノに対する価値観が変わってきたように思います。もともとあまり物欲が強い方ではなかったのですが、最近は、「モノではなくその人次第」なんだと強く感じるようになりました。例えば、私も20歳前後の頃は、高価なブランド品に関心を持っていたりしました。しかし今では、どんなTシャツでも、素敵な女性が着ればなんだか素敵に見えてくる、そう思います。むろん安いものだけが良いと言っているのではありません。着こなしや佇まいは、スタイルだけではなく、内面から出てくる雰囲気と合わさって素敵に見えるのだと思うのです。仕事に関して言えば、今の私は働けることだけでも十分、感謝しています。これは妥協や、成長する事を望まない、という意味ではありません。決して無理な欲は出さなくても、与えられた仕事に対しては、質の高い、良い結果を出せるように、自分ができ得る範囲内で最大限に頑張っていこうと思っています。無理しないで、自然な流れの中で取り組んでいく、そんな自分の気持次第で仕事は楽しく充実したものになります。それが自然と次の仕事へと繋がっていく。同じ仕事をしているのにいつも楽しそうにしている人、不満気に過ごしている人がいるのは、そういった日々の気持の持ち方や姿勢が自然と現れているからではないでしょうか?つまりは『その人次第』なんだと。
幸せを感じる基準は人それぞれです。「いつも何だかつまらない」という人は、幸せを感じるバーや角度を少し変えてみるのも良いかもしれません。それは妥協ではなく、自分がより心地よい毎日を過ごしていくための、マイナーチェンジです。私も、自転車通勤はもちろん、もっと仕事もプライベートもバランスよく頑張って、自然体で素敵な女性になっていきたいと思っています。
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