最近の児童は、テレビの影響で、社会問題にも明るい子が多くなりました。ある小学校の一年A組で、進んでいる女の先生が、自由質問の時間を作りました。 新聞の記事やテレビの内容、特にニュースなどは、理解が困難なものが多いので、前の夜か、その朝の社会問題で、わからないことがあれば、その時間に質問して先生に教えてもらおう、というのです。もちろん、その質問に答えられる子がいると、手を上げて答えさせるというシステムでした。 一年生だけに、どうしても理解できない事柄もあるようです。 「先生、今朝の新聞に、「「また円高」」と言う記事がありましたが、「「昨日２８０円が今日は２６０円で２０円も上がった。」」と書いてありました。日本のお金が２８０円から２６０円になったのは、２０円下がったのではないですか。引き算すればいいのじゃありませんか。」 「アメリカのお金一ドルを買うのに、昨日は２８０円出さないと買えなかったのに、今日は２６０円出せば買えるので、ドルが安くなったのです。」 これで理解できた子は、いなかったようです。 先生のほうで、困った質問もありました。 「先生、テレビでエイズの病気に気をつけるように、と言っていました。エイズとはどんな病気ですか？」 先生は、さて何とこたえたらいいか、苦慮しましたが、元気のいい男の子が、手を上げて、 「僕知ってる。うちでもテレビ見て、お父さんとお母さんが話していたよ。病気はね、帽子かぶってると怖くないんだって。」 すると、別の子が「なアーんだ、交通事故のことか。」先生は、ほーっ戸胸をなでおろしていいました。 「そう。だから黄色い安全帽子を忘れちゃだめよ。」