暑中見舞いとお中元
「暑中見舞い(しょちゅうみまい)」とは、7月15日から8月8日の間に送る挨拶(あいさつ)の葉書(はがき)です。日本の郵政省(ゆうせいしょう)は年賀状と似た形式の専用官製葉書を発行します。自分で心を込めた葉書を作成する人もいます。
日本では6月の梅雨(つゆ)が終わると、北海道を除いて、全国が急に暑くなります。この期間は高温高湿で体力を消耗(しょうもう)しやすく、体調を崩す(くずす)ことが多いので、 その時期に安否(あんぴ)を確かめ合ったことから出来た習慣です。現在では親戚友人個人同士の間ばかりでなく、ビジネス関係者などにも送る礼儀になっています。これに対して「寒中見舞い(かんちゅうみまい)」もありますが、お正月と重なるからか、「暑中見舞い」ほど盛んではありません。
7月になって気になるもう一つの件は「お中元」です。お中元は昔は道教の祭りでした。それが同じ時期に行う盂蘭盆会(うらぼんかい)や、一年を前半後半に分ける日本人の考え方の影響を受けて、祖先を供養(くよう)し、半年の無事を祝う行事になりました。霊に供えたものを後で親戚などが分け合った習慣が、今の儀礼的(ぎれいてき)な贈り物の習慣に変化してきたのです。
したがって、現在のお中元は7月の初旬から15日にかけて個人や会社が世話になった人に送る進物(しんもつ)のことを主に意味します。この行事と同じようなのがお歳暮です。これは年末に贈り物をすることで、またその時に話しましょう。